Kroller-Muller museum Newsletter

2022年のクレラー・ミュラー美術館

クレラー・ミュラーとゴッホ

クレラー・ミュラー美術館の創始者であるヘレーネ・クレラー・ミュラー夫人のコレクションの中でもゴッホコレクションは特別な意味を持ちます。世界で2番目の規模を誇るゴッホコレクションは彼女の功績が大きく関係しています。1908年から1929年にかけて、彼女と夫のアントンはゴッホの油彩91点、素描画180点を購入しています。

ヘレーネは、ゴッホを「近代絵画の巨匠のひとり」であると心酔し、また、ゴッホと自分の人生を重ね合わせてもいました。ゴッホは絵を描くことにより神に奉職できると信じていましたが、同時に教会に対して複雑な心境や信仰心を持っていました。そして、ヘレーネも同じような葛藤を抱えていたのです。ヘレーネは人生における精神的な支えを必要とし、ゴッホの人生における、人間関係や、自然との関わりに深い興味を抱いたのです。

ゴッホの「自画像」の修復

現在、ゴッホが1887年に描いた「自画像」は修復作業を行なっています。年月を経て溜まった汚れの層を落とし、絵が描かれている厚紙の角を補強しました。また、額縁に絵を納める方法も改善し、将来にわたって厚紙が磨耗するリスクを低減しました。ニスが取り除かれた絵の右側部分を見れば、修復作業の成果が一目瞭然でお分かりいただけます。

2022年3月28日から9月4日までは月曜日も12時から17時まで開館しています。また、学校の休暇期間も月曜日を含めた毎日開館していますので、ゴッホ、ピカソ、モネ、モンドリアンなどの作品を鑑賞できます。

 井田照一の「Surface is the Between – 表面は間である」展(2022年9月18日まで開催)をはじめとする特別展に関しては、ウェブサイトをご参照ください。今秋は、フェルナンド・レジャー(Fernand Léger)の特別展に続き、フューチャリズムの特別展を予定しています。www.krollermuller.nl