Kroller-Muller museum Newsletter

2023年のクレラー・ミュラー美術館

ゴッホギャラリーの常設展

クレラー・ミュラー美術館の創始者である、アントン・ミュラーとへレーネ・クラレー・ミュラー夫妻のコレクションの中でもゴッホ作品は特別な意味を持ちます。夫妻の功績により、美術館のゴッホコレクションは世界第二位の規模を誇ります。1908年から1929年にかけて、夫妻は91点の油彩、180点余りの素描を購入しました。

へレーネはゴッホを現代アートの偉人と考えていました。また、彼女はゴッホと彼女の人生には類似点があると思っていました。ゴッホは芸術家として神に奉仕することができると考えており、ゴッホの教会に対する確執と神への信仰心は、へレーネのそれと似通っていました。へレーネもまた人生における精神的な支柱を必要とし、ゴッホが人生において、人々、そして、自然の中でどのように関わっていたのかを理解しようとしたのです。

ゴッホ「夜のカフェテラス」

ファン・ゴッホギャラリーでは、肖像画を含む人物像、 田舎の生活と労働、風景画と自然など、ゴッホが普遍的なテーマとして描いた作品を見ることができます。2023年の今年は、「夜のカフェテラス(1888)」、「馬鈴薯を食べる人々(1885)」、「4本の枯れたひまわり(1887)」、「アルルのハネ橋(ラングロワの橋)(1888)」などの人気作に加え、「子守唄(1889)」、「糸杉に区切られた果樹園(1888)」、「種蒔く人(1888)」などの作品も展示されます。

ゴッホ「種蒔く人」

クレラー・ミュラー美術館では、ゴッホの名作の他にも、クロード・モネ、ジョージ・スーラ、パブロ・ピカソ、ピート・モンドリアンなどの作品も見ることができます。この美術館は、デスタイル派と未来派作品の宝庫で、その現代アーティストのプレゼンテーションの、質の高さにきっと驚くでしょう。 常設展に加え、年数回の特別展も開催しています。まもなく開催の「未来派とヨーロッパ:新世界の審美眼」では約100年前に未来派の人々がヨーロッパのアートシーンにどのように受け入れられていったのか、そして、デスタイル派やバウハウスなど、他のアヴァンギャルドな芸術家とどのように影響しあったのかがわかる展示会です。未来主義派が理想としたのは芸術と生活の融合です。絵画、彫刻、家具、絨毯、陶器、インテリア、舞台衣装、洋服、本、グラッフィックなど多岐に渡る作品を展示。デザインが有名なカンパリソーダの瓶なども展示品として出品されています。開催期間は、4/29-9/3まで。

Giacomo Balla, Futuristic genius, 1925